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CD管は露出配管していいのか?

「CD管ってナニ?」
一般の方々には通常目にしないところに配管される、「コンクリート埋設専用合成樹脂可とう電線管」のことをいいます。

鉄筋コンクリートのビル・マンション等で、電線を通すためにコンクリート内に埋め込んで使用されています。

私が電材卸業の営業マンをやっていたころ、各メーカーがいろいろな色のCD管を発売していましたが、ある日突然全メーカーが「オレンジ色」に統一してしまいました。

「埋設専用のCD管を、屋外露出配管する電気工事屋さんが増えてきたので、まさかこの色の電線管を屋外では使用しないでしょうという、派手なオレンジ色で統一させていただきました。」とメーカー営業マンに聞き、お客様にもそう周知して回ってた記憶があります。

しかしこの仕事を始めてからも、いろいろな現場で埋設されているハズの派手なオレンジ色を目にすることが多く、私の勉強不足を補うためにも今回の研究調査を行いました。

左の写真が「合成樹脂可とう管」です。
エアコン用ドレンホースは参考に並べています。

黒いTLチューブは、電話線や通信線・テレビの同軸ケーブルなどに使用される弱電専用管です。

CD管の隣にあるのは、PF管です。
PF管は自己消化性をもっているため、CD管の取り回し性の良さに、露出配管ができるというメリットをもたらしました。

・・・という事は、CD管は露出不可と?

内線規程を見てみましょう。

「3115節 合成樹脂管配線」の「配管」の規程には、「CD管は、直接コンクリートに埋込んで施設する場合を除き、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収めて施設すること。」とあります。

・・・やっぱり露出はダメ?

ここで、代表的な製造メーカーである、松下電工と未来工業のカタログに掲載されている「使用可能範囲」を見てみましょう。

あれれ?「露出配管はPF管が望ましい」と注釈はありますが、CD管は使用してはいけないとは記述されていません。

・・・ん〜、解らないことはメーカーに聞け!

製造メーカーへの質問

CD管の露出配管は、可能なのか教えてください。
CD管は、コンクリート埋設専用で商品化されたと記憶しております。

現在、新築住宅の天井・壁内の隠蔽配管は、PF管でなく、単価の安いCD管が多く使用されています。
屋内の配管は直射日光が当たらないので、「ケーブル保護」の観点から見れば支障は無いように思いますが、あるところでは、屋外の引込線にCD管を使用しているところもありました。

カタログ上では、「PF管を推奨します」と書かれていますが、「CD管でもOKですよ」とも読みとれます。
製造メーカー様の見解をお聞かせください。

また、PF管がよく屋外で使用されていますが、PF管にはどれくらいの耐候性があるのか教えてください。

未来工業株式会社様の回答

阿部淳一様

お世話になります。
ご質問の件につきまして、IV線配線ではなく、あくまでもケーブル配線であれば、保護管扱いになりますので、法規的にも問題はありません。

耐侯性に付きましては、使用場所・使用方法に左右されるため、具体的な年数はわかりかねますが、人工的な促進暴露試験データがございますので、そちらをお送りいたしたいのですが、残念ながらデータでのご用意がございませんので、FAX番号をご連絡下さい。

お手数をおかけ致しますが宜しくお願いいたします。

未来工業株式会社
営業企画課

松下電工株式会社様の回答

阿部淳一 様

CD管の露出配管についての件

弊社商品のご愛顧誠に有難うございます。
お問い合わせの件、回答させて頂きます。

合成樹脂可とう電線管としての扱い上、法的にCD管は、埋設専用です。
ただし、ケーブル等の保護管として使用する場合、電線管扱いでないため使用に関しての制限は、ありません。

露出、隠ぺい配管では、管材に難燃性を要求されています。
PF管が難燃性であることに対し、CD管は難燃性がありません。
その意味で、露出、隠ぺいで使用する場合、ケーブル工事であっても、PF管を推奨しています。


PF管の耐候性は、現在継続評価中ですが、屋外暴露で10年経過した状態では、特に異常はありません。

今後共、宜しくお願いします。

松下電工株式会社
配管機材事業部  - 商品技術部

お忙しいところ、素早いご回答をいただきました。
電線管扱いでなく、ケーブルの保護管としての使用であれば、露出配管できる。」とのこと。

ここで注意しなければならないのは、松下電工さんの回答です。
「PF管が難燃性であることに対し、CD管は難燃性がありません。その意味で、露出、隠ぺいで使用する場合、ケーブル工事であっても、PF管を推奨しています。」とあります。

ここから先は、電気工事される方のモラルにお任せといったところですね。



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