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冷媒配管接続部分(フレア面)への冷凍機オイル塗布について

フレアナットの締め付けがスムーズにいくように、フレア背面とそれに接するナット部に冷凍機油を使用。
 ただし、フレア加工が正しく行われていれば、内面接合部のシール性に冷凍機油は関係無く、新冷媒機器の登場で、メーカーによりオイルが多様化しコンタミ(不純物)の原因になりかねないため、内面への塗布は行わない。


これは、「 (社)日本冷凍空調設備工業連合会」の行う講習会での、冷凍機オイルの塗布の注意点です。

永年、冷凍機・空調機の施工方法は、シール性を上げるためフレア内面に塗布を行うのが常でした。
自分もそう教えられてきた一人です。

ではなぜ、今になって「内面塗布」を行わないのか?

フレア部分説明写真
R410a冷媒配管施工要領
(社)日本冷凍空調工業会
2004年2月発刊

その前に、まず冷凍機オイルについて。

製造メーカーの集まりである、「 (社)日本冷凍空調工業会」発刊の「R410a冷媒配管施工要領(パッケージエアコン編)」を見てみると、
旧冷媒R22用冷凍機油としては、鉱物油・アルキルベンゼン系合成油等が使用されてきました。
新冷媒R410aでは、エステル油・エーテル系等の合成油及びアルキルベンゼン系合成油を使用します。
各冷凍機油はそれぞれ特性が異なりますので、各機器のマニュアル等を参照の上、冷凍機油及び冷媒回路内への不純物(コンタミ)の混入については、十分注意をして取り扱って下さい。

と記載されています。

次世代フロンガスであるR410a等の新冷媒の登場により、冷凍機内部で使用されているオイルも、フロンガスの特性に合わせて変更されました。
 このオイルが非常にデリケートであり、「既設配管は使用しない」「真空引きの徹底」「真空ポンプの逆止弁の使用」等、施工方法が厳しく言われる由縁となっています。

しかしこの施工要領書には、フレア部分へのオイル塗布についての記載はありません。

 では、各メーカーの施工説明書を見てみましょう。
 これまで当社が施工させていただいたメーカーの施工説明書には、下記のように記載されていました。

三菱電機-------「パイプとユニオンのシート面には、冷凍機油Jを塗布してください。」

ダイキン-------「フレア部(内外両面)にエーテル油またはエステル油を塗り・・・」

日立-----------「接続部に冷凍機油を塗り・・・」

長府製作所-----「フレア部の表裏に付属の冷凍機油を塗り・・・」

三菱重工-------「フレア面への冷凍機油の塗布は行わないでください。」

東芝-----------「フレア面への冷凍機油の塗布は行わないでください。」

コロナ---------「今まで実施していたフレア面への冷凍機油の塗布は行わないでください。」

松下電器産業---冷凍機油の塗布についての記述は一切無し

※2005年4月現在の内容ですので、変更される可能性があります。

このように、フレア接続部分の形状や接続方法は同じであるのに、使用するオイルを指定されているところもあれば、まったく使用不可というところもあります。

配管工事の重要な部分であるはずの施工方法が、なぜ統一されていないのでしょうか?

解らないことはメーカーに聞け!」ということで、日本のエアコンメーカー11社のサイトより、メールにて問い合わせを行いました。

※お忙しい中、すべてのメーカー様より貴重なご意見・ご見解を賜り、大変感謝しております。
以下の調査内容については、一部のメーカー様より「社名を伏せていただきたい。」とのご返答をいただきましたので、各メーカー様のご返答内容から、主要な部分のみ引用する方法で掲載させていただきます。

各メーカー施工説明書

 【ご協力いただいたメーカー様】(五十音順)
  コロナ・三洋電機・シャープ・ダイキン工業・長府製作所・東芝キャリア・日立・富士通ゼネラル・松下電器産業・三菱重工業・三菱電機


 その1.なぜ必要か?又はなぜ禁止しているか?

円グラフ

「フレア内面へ冷凍機油の塗布を行うか否か?」
回答数:11社

フレアナットの応力腐食割れ
「応力腐食割れ」

締め過ぎによるフレアの破損
「締め過ぎによるフレアの破損」

左記の表のように、メーカー11社の内7社が、フレア内面への塗布の禁止又は、必要なしとの回答でした。

 ・フレア加工に問題が無く、所定のトルクで締め付けが行われていれば、漏れが生じることは無い。

 ・オイルが多様化しており、現地施工時に指定外のオイルが混入し、冷凍機油が劣化しコンプレッサ焼損の可能性がある。

 ・オイルの塗りすぎにより、少ないトルクで過剰な締付力が生じ、フレアナットの「応力腐食割れ」を引き起こす。


禁止している各社の理由は、上記の通りほとんど同じ見解で納得のいく回答です。

特に、フレアナットの締めすぎによるガス漏れで、メーカーサービスの出動回数が多いので、背面塗布も禁止していると言うメーカーも数社ありました。

では、内面塗布を推進するメーカー4社の見解はどうなのでしょう。

 ・実際の現場作業では、加工精度のバラツキも考えられるため、冷凍機油の塗布を行うことにより、多少フレア加工が不十分(内面のキズ・微細なゴミの付着等)でもシール性を確保するために必要。

4社とも同様に内面塗布の理由として、「シール性の確保」を挙げています。
また注意点として、「指定オイルの使用」を念押しされていました。

考え方を変えてみると、「シール性が確保できている工事を行えば、冷凍機油の塗布は必要ない。」と取れます。

塗布推進の4社の中には、ルームエアコン販売台数上位のメーカーが2社含まれていることから、やはり実際の現場作業では、正確なフレア加工が行われていないという実態が現れているように思います。

追記:上記は、ルームエアコン(配管サイズが6.35Φ・9.52Φ等)の場合であり、パッケージエアコン(配管サイズ12.70Φ以上)の場合は、「フレアナットの締め付けがスムーズにいくように、フレア背面に筆などで少量塗布してください。」と追記いただいたメーカー様もいらっしゃいます。


 その2.各メーカーで統一の予定は?

では、この2つに分かれた施工方法を統一する予定はないのか?
実際、工事に携わる者として、同じ作業箇所をメーカーによって変えるというのも変ですし、お客様に聞かれた時にも説明に困ります。

統一の予定はありません。」との回答が何社かありましたが、この件に前向きなメーカーもあり、製造メーカーの集まりである「 (社)日本冷凍空調工業会」では、「過剰締付け防止」についてはある程度足並みを揃えているので、この件についても問題提起され、収拾されると考えられています。

 その3.スプレー式の冷凍機油は使用して良いか?

新冷媒機種にも使用可能と書かれている「スプレー式の冷凍機油」をいくらか持っているのですが、これは使用できるのか?
当社では、新冷媒機種の登場依頼、これは使用していないのですが。

 ・成分が不明なため、指定オイル以外は使用しないでください。

 ・施工業者様のご愛用品を批判するつもりはありませんが、スプレー式では広範囲にオイルが塗布されてしまいますので、筆などで塗布されることをお薦めします。

スプレー式冷凍機油

 結論・・・

・フレア加工及び締付けトルクに自信があれば、フレア内面へのオイル塗布の必要無し。

・異種オイルの使用を禁止しているメーカーがある以上、機器保証の観点から指定オイル以外の使用を避ける。

 念を押しておきますが、これは私ナリの解釈です。

 メーカー11社は共に、「配管内に異種のオイルを混入させないこと。」と注意をしています。

 お客様の大切な機器の、寿命を縮める原因を作らない様、私たち技能士は細心の注意を払わなければなりません。

 このことから、このページの最初に記載しました「 (社)日本冷凍空調設備工業連合会」の推進する施工方法を重視したいと考えます。

 各メーカー様から回答いただいた内容をすべて公開して、このページをご覧になられた方ナリの解釈をしていただきたいところですが、一部のメーカー様より「社名を伏せていただきたい。」との連絡がありましたので、上記のような掲載方法となりましたことをご了承ください。



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最後に、フレアの加工をおさらいしておきます。
 熟練工の方には当たり前のことですが。。。


パイプカッターを使用して、銅管を適当な長さに切断します。
あせって切断を急ぐと、内側にめり込んでしまうので、ゆっくり締め込んでいきます。

いい工具を使っても、バリは出ます。
このバリを取っておかないと、きれいなフレアは作れません。

銅管内に異物が混入しないように下向きにし、リーマーを使用して、内側についたバリを取り除きます。

外側に残ったバリは、ヤスリできれいに落とします。

銅管内に異物が無いことを確認し、フレアツールをセットします。
このとき、銅管の出し代はフレアツールの説明書に従いましょう。
ツールメーカーによって、多少違うので注意が必要です。
フレアは、大きくても小さくても漏れの原因になります。

※フレアナットを使用して、何度も練習するのが一番です。

銅管を広げていきます。
締め込んでいくと、「カチッ」とクラッチが効きますが、そこから5回くらい「カチカチ」と回してやります。

※余計に回してやることで、フレア内面がきれいな鏡面に仕上がります。

キズの無い、きれいな鏡面に仕上がりました。
各メーカーが希望しているのは、このようなフレア面です。

ちなみに、これはバリを取らずに加工したフレア面です。
内面にスジが入っているのが見えますが、これはバリを内側に巻き込んでしまったために付いたものです。
これは漏れの原因になりますので、使用できません。

配管同士を、真っ直ぐ突き合わせます。
このとき、配管が斜めになっていると、うまくトルクが効きません。

この時点で、「配管の共回りが気になる場合」や「配管サイズの大きい場合」は、ナットの締付けがスムーズになるよう、フレア背面に規程の冷凍機油を筆などで少量塗布します。

締め初めはモンキーを使用せず、手で締め込みます。

最後にモンキーとトルクレンチを使用して、規程トルクで締め上げます。
念のため、2〜3回カチカチとやっておきます。
フレア加工・接続はこれで終了です。

2005年5月1日調査作成


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